製造業の作業はAIでなくなる?【結論:2040年も人手不足の見通しです】

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こんにちは。GMOプライム・ストラテジーの森岡です。

「製造業の作業はAIでなくなるのでは」という声を、ネットでよく見かけます。ただ、経済産業省が2026年3月に出した推計では、2040年の製造業は主な職種のすべてで人が足りない見通しです。自分は、心配すべきは仕事より「ベテランの知識」のほうだと思っています。

製造業で働く人

最近、『AIに奪われる仕事』のニュースをよく見る。
製造業の仕事も、AIでなくなるのかな。
このまま今の仕事を続けて大丈夫だろうか…。

今回は、このような疑問に答えていこうと思います。

本記事の内容
  • 製造業がAIでなくならない3つの理由(国の最新推計つき)
  • 職種別:AIに移る作業と、人に残る仕事
  • いまからできる3つの備え(ベテランの知識を生かす方法)

弊社はWordPressなどのCMSを高速、セキュアに動作させる実行環境「KUSANAGI」を開発している会社です。2026年6月30日からは、社内の文書をもとにAIが答える企業向けRAG「GMO AI RAG」も提供しています。

有償オプションの「チューンドRAG」は、標準的なRAG方式に比べて日本語の検索精度(F1スコア)が大きく向上することを、弊社の検証で確認しています(出典:弊社プレスリリース)。

読み終えるころには、自分の仕事のどこがAIに移り、何を磨けばいいかが見えてくるはずです。

GMOプライム・ストラテジー株式会社 マーケティング部
森岡 佑亮

フリーランスとして6年間、あらゆる業種のSEO・コンテンツマーケティングに従事。
内部SEO対策やデータドリブンな施策立案を得意とする。
現在はGMOプライム・ストラテジーにて、KUSANAGIの分析・集客・コンテンツ戦略を担当。

目次

結論:製造業の作業はAIでなくならない【変わるのは仕事の中身】

結論:製造業の作業はAIでなくならない【変わるのは仕事の中身】

製造業の作業は、AIでなくなりません。国の推計では、2040年も製造業の主な職種のすべてで、人が足りない見通しです。変わるのは、仕事の中身のほう。

理由は、次の3つ。順に見ていきます。

  1. 国の推計では、2040年も製造業は主な職種すべてで人手不足
  2. AIが置き換えるのは「職業」ではなく「作業の一部」
  3. 働き手が減るなか、AIは人の穴を埋める役に回る

理由①:国の推計では、2040年も製造業は主な職種すべてで人手不足

経済産業省の推計によると、2040年の製造業は、下記のとおり人が足りなくなる見通しです。

  • 現場の仕事:256万人不足(うち生産工程が198万人)
  • 専門職:149万人不足(うちAIやロボットを使いこなす人材が125万人)
  • 事務職:40万人不足

(出典:経済産業省「2040年の就業構造推計(改訂版)について」、2026年3月)

※十分な国内投資や産業構造の転換が進む場合の推計なので、将来を約束するものではない点に注意してください。

理由②:AIが置き換えるのは「職業」ではなく「作業の一部」

AIに置き換わるのは、仕事まるごとではありません。仕事の中の、一部の作業です。

というのも、国の推計自体が「労働時間のうち、AIやロボットが代われる時間の割合」で計算されているから。日報の転記がAIに移っても、判断や段取りの仕事は残る、という考え方です。

製造業で働く人

いやいや、うちのラインはもうロボットだらけだよ…

と感じた方もいるはずです。たしかに、楽観しすぎは禁物です。同じ推計でも、生成AIやロボットの進化が加速すれば、機械の操作や決まった手順の保守は置き換えが大きく進むとしています。

理由③:働き手が減るなか、AIは人の穴を埋める役に回る

製造業で働く人は、2024年の1,046万人から、2025年には1,033万人へとわずかに減りました。中小の製造業では2025年、「人が足りない」と答えた企業の割合が「余っている」を17.9ポイント上回りました(出典:2026年版ものづくり白書 概要)。

なので、AIは人を減らす道具というより、足りない人の穴を埋める役に回るはずです。人手が足りない職場ほど、AIはありがたい存在ですよね。

ただ、人が減るなかで、静かに消えかけているものがあります。「ベテランの知識」です。

2026年版ものづくり白書で紹介された調査では、68.6%が技能継承の課題に「形式知化の難しさ」を挙げています(出典:MONOist)。形式知化とは、頭の中にある知識や経験を、文書やデータの形にすることです。

正直、、、「AIに仕事を奪われる」ことより、こちらのほうがずっと深刻だと感じています。

ベテランの知識を、若手がすぐ引き出せる職場へ

弊社の「GMO AI RAG」は、社内の文書をもとにAIが答える企業向けRAGです。作業手順やトラブル対応の履歴を登録しておけば、若手がAIに聞くだけでベテランの知見を探せます。例えば夜勤中に設備が止まっても、まずAIに過去の対応記録を聞けます。

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製造業の作業はAIでどう変わる?【職種別「AIに移る作業」と「人に残る仕事」】

製造業の作業はAIでどう変わる?【職種別「AIに移る作業」と「人に残る仕事」】

AIに移るのは、手順が決まった作業と、文書やデータから答えを探す作業です。例外への対応や判断、安全と品質への責任は、人に残ります。

自分の仕事に当てはめるときは、作業ごとに次の3つを問いかけてみてください。

  1. 手順やルールが決まっているか
  2. 答えが文書やデータの中にあるか
  3. 例外への対応や、安全・品質への責任を伴うか

1と2が「はい」ならAIに移りやすく、3が「はい」なら人に残りやすい作業です。職種ごとにざっくり整理すると、下記のとおり。

職種AIに移りやすい作業人に残りやすい仕事
ライン作業組立・搬送・梱包などの決まった動き品種を切り替える段取り、設備が止まったときの対応
検査・品質保証見た目の良し悪しの判定合否の最終判断、不良が出た原因の特定
設備保全故障の兆しの検知原因の特定と修理
生産管理・事務日報の転記、実績の集計計画の組み直し、部署や取引先との調整
生産技術・設計過去の報告書や記録の検索新しい工程の工夫、お客さまとの仕様の擦り合わせ

※経済産業省の推計などをふまえた、弊社の見立てです。

ライン作業:組立・搬送はロボットへ、段取り替えと異常時の対応は人に

組立や搬送、梱包のような決まった動きは、ロボットへの置き換えが進んでいます。一方で、品種を切り替える段取りや、設備が止まったときの対応は人の出番。多品種・少量の現場ほど、この出番はなくなりにくいはずです。

検査・品質保証:見た目の判定はAIへ、最終判断と原因の究明は人に

キズや汚れを画像で見分ける外観検査は、AIが得意な分野です。とはいえ、合否の最終判断や、不良の原因を突き止める仕事は人に残ります。AIが「怪しい品」を先に教えてくれるぶん、原因を考える時間が増えるイメージですね。

設備保全:異常の兆しはAIが知らせ、原因の特定と修理は人が担う

振動や温度のデータから故障の兆しを知らせる「予知保全」は、AIの得意分野です。ただ、なぜ異常が出たのかを突き止めて直すのは人の仕事。AIの知らせを見てすぐ動ける人は、これからますます頼られるはずです。

生産管理・事務:転記や集計はAIへ、計画の調整と交渉は人に

日報の転記や実績の集計、決まった問い合わせへの返信は、生成AIやシステムに移っていきます。生成AIの影響を先に受けやすいのは、現場よりもこうした事務の作業です。一方で、急な納期変更に合わせた計画の組み直しや、部署・取引先との調整は人に残ります。

生産技術・設計:過去の資料探しはAIへ、新しい工夫と顧客との擦り合わせは人に

過去の報告書や不具合の記録、仕様書から必要な情報を探す作業は、社内の文書を読んで答えるAIが得意です。新しい工程の工夫や、お客さまとの仕様の擦り合わせは、引き続き人が担います。

この「社内の文書を読んで答えるAI」の仕組みを、RAG(ラグ)と呼びます。RAGについて詳しく知りたい方は、「社内データがそのまま回答になる「RAG」」の記事をどうぞ。

AI時代に価値が上がるのは「ベテランの知識をAIに渡せる人」【今日からできる3つの備え】

AI時代に価値が上がるのは「ベテランの知識をAIに渡せる人」【今日からできる3つの備え】

自分の作業を仕分け、頭の中のコツを書き残し、その知識をAIで誰でも引き出せるようにする。この3つが備えになります。

製造業で働く人

いやいや、資格の勉強や転職のほうが早いのでは?

と感じた方もいるはずです。もちろん、それも1つの手。ただ、今の職場でできる備えにも、大きな価値があります。

手順①:自分の作業を「AIに任せる作業」と「人に残る仕事」に仕分ける

まずは1週間の作業を書き出し、先ほどの3つの質問で仕分けてみてください。見るべきは、「探す・写す・まとめる」にどれだけ時間を使っているか。

資料や過去の記録を探す時間って、意外と長いですよね。ここがAIに移れば、空いた時間を段取りや改善、後輩の指導に回せます。

手順②:頭の中のコツを、手順書とトラブル記録に書き残す

次に、頭の中のコツを、手順書やトラブル記録として書き残します。書くときのポイントは、次の3つです。

  • 手順だけでなく、なぜそうするのかまで書く
  • うまくいかなかった例と、そのとき何を見て気づいたかを書く
  • 言葉にしにくい動きは、写真や短い動画で残す

先ほどの調査のとおり、ベテランの知識を形にするのは、多くの企業が苦戦しているところ。だからこそ、書き残せる人の価値は上がります。

RAGを作っている立場から言うと、、、答えの質を左右するのは、AIの性能より「読ませる文書の中身」だと感じています。文書の整え方は「RAG導入を成功に導くデータ整備と検索精度の極意」も参考になります。

手順③:書き残した知識を、AIで誰でも引き出せるようにする

最後に、書き残した手順書やトラブル記録を、AIが読んで答えられるようにします。ここで使うのが、先ほどのRAGです。

例えば「3号機でこのエラーが出たら?」と聞けば、過去の記録から対処の手順を探して答えてくれます。ベテランに聞いていたことを、若手がAIに聞ける。これが、人が減っても現場が回る状態です。

とはいえ、ここは1人ではできません。職場や情報システム部門に提案するときは、次の3点を確かめておくと話が通りやすくなります。

  1. 図面や製造条件などの機密を、社外に出さずに使えるか
  2. いま使っているAIから、社内の知識を呼び出せるか
  3. 費用の目安を、稟議の前につかめるか
3つの基準で見た「GMO AI RAG」

弊社の「GMO AI RAG」は、オンプレミス環境で使えるうえ、情報漏洩のリスクを抑えるローカルLLMの構成も選べます。MCPサーバー機能を標準搭載しているので、ChatGPTやClaudeからも社内の知識を呼び出せるのがポイント。料金も製品ページで公開中です。

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AIでいらなくなる職業は?

国の推計では、2040年に余るのは主に事務職(約440万人)です。一方の製造業の現場は、逆に人が足りなくなる見通しです。

理由は、データ入力や決まった書類づくりなど、事務の作業ほど生成AIの影響を受けやすいから。とはいえ、職業ごと消えるのではなく「少ない人数で回るようになる」というイメージが近いかなと思います。

※よく聞く「労働人口の約49%が代替可能」は、生成AIが広まる前の2015年に、技術的な可能性を推計したものです(出典:野村総合研究所)。

製造業におけるAIの今後はどうなりますか?

検査や保全のAIに加え、社内文書を読むAIやロボットを動かすAIが広がり、人手不足を補う役割が大きくなっていくはずです。

国の推計も、生成AIやロボットの進化が加速すれば、それらを使いこなす人材の需要がさらに増える可能性を示しています。AIが増えるほど、使う人の出番も増えるということですね。

AIに奪われない職業は?(製造業の場合)

製造業なら、設備保全・品質保証・生産技術など、例外への対応や安全・品質への責任を負う仕事が残りやすいはずです。

国の推計でも、人と向き合う「対人業務型」の職種は、職そのものの置き換えが起こりにくいとされています。「AIに奪われない7つの職業」のような一覧より、「例外・責任・現場の知識を担っているか」で考えるのがおすすめです。

AIに負けない職業ランキングは?

順位は調査によって違いますが、上位の共通点は「AIを使う側」です。製造業では、その人材が2040年に約125万人不足する見通しです。

※国の推計で「AI・ロボット等の利活用を担う人材」とされる人たちで、機械技術者や情報処理・通信の技術者などを指します。

順位を追いかけるより、自分の職場でAIを道具として使いこなす側に回るほうが、確実な備えになるはずです。

まとめ:製造業の作業はAIでなくならない。価値が上がるのは「知識をAIに渡せる人」

今回は以上です。要点をまとめます。

本記事の要点
  • 国の推計では、2040年も製造業は主な職種のすべてで人手不足の見通し
  • AIに移るのは、手順が決まった作業と、文書やデータから答えを探す作業
  • 人に残るのは、例外への対応・判断・安全と品質への責任
  • 備えは「仕分ける→書き残す→AIで引き出せるようにする」の3つ

AIに仕事を奪われる人と、AIに知識を渡して頼られる人。その分かれ目は、今週、職場でよく聞かれる質問を3つ書き出してみるところから始まるかなと思います。

1年後、その3つが職場の手順書になっているか、誰かの頭の中に残ったままか。この差は大きいはずです。

AIの選び方で迷ったら、「後悔しないためのRAGの選定基準とは」もどうぞ。

まずは1つの部署の手順書から、小さく試す

GMO AI RAGは、Enterprise版(クラウド/オンプレミス)を提供しています。まずは1つの部署の手順書やトラブル記録から始められるか、資料で確かめてみてください。

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